レッスンでもっとも楽しんでいる人の話

　いかりちかしのダンス教室の中で一番楽しんでいる人は間違いなく、この私です。子供達より元気に踊り、子供達より大きな声を出し、子供達が驚くほどの汗をかきます。子供の独創的なポーズに驚き、子供のヘン顔に笑い、子供の浣腸によく悲鳴をあげています。（笑）

　大人が夢中で楽しむと、子供も釣られて楽しみます。自分から楽しむ気持ちは好奇心を育て、大人から叱られたり、注意を受けたりすると、恐怖心が育ちます。子供達は楽しみながら、友達と一緒に色んなダンスに挑戦したり、自分で考えたポーズやダンスを披露したりしながら、少しずつ上達していきます。

　私が思うダンスの魅力は、身体ひとつで楽しい気分になれることです。動作のパターンは無限にあり、出来る動きが増えれば増えるほど、より高度なダンスができ、達成感や充実感を味わうことができます。それに、２人以上でセッションすれば、楽しい気分は増幅し、その時間を共有した者同士の心の距離を縮めてくれます。

　そんな私も小学生のときは運動が苦手で、お家でゲームばかり、女の子によく泣かされる気弱なポッチャリ少年でした。それを変えてくれたのは、中学時代に偶然見かけたストリートダンスショーでした。観客を前に堂々と踊るダンサー達に感動しました。迫力ある動きに息を呑み、ユーモアに富んだ振付や即興ダンスに思わず腹を抱え、笑い転げました。そして、飛び込み参加自由なダンスタイム中、観客席から現れた外国人の、人間離れしたロボットダンスに目を奪われました。ダンサー自身が心から楽しむ気持ちが、巨大なスピーカーから響く重低音を通して、私の心を揺さぶりました。それからというもの、家で一人、コソコソと練習を開始しました。柱に足をぶつけたり、親に目撃されて恥ずかしい思いをしたりすることもありましたが、イヤホンから流れるアップテンポな音楽に身を任せて踊る気持ち良さは、それらを忘れさせてくれました。高校生になってからは、勇気を出してダンス部に入部しました。そこで知り合った友達と夢中で練習しました。社会人が参加するようなコンテストにも挑戦し、いつの間にか、人前でパフォーマンスをすることに喜びを感じるようになりました。そして、大学生時代に挑戦した海外留学では、ダンスを通して世界中の人達と親睦を深めることができ、お金では買えない貴重な体験をすることができました。

　子供達には、心の奥底から湧き上がる気持ちを、全身でおもいきり感じる体験をたくさん積んで欲しいと思っています。その感動体験は心のエネルギーを満たし、好奇心を高め、日々を充実させる力になると思います。そして人と関わる嬉しさや、自分を表現する喜びを学んでいってほしいのです。ダンス教室の導入を検討されている皆様も、そうでない皆様も、ぜひ一度体験教室をご活用ください。子供達の、いつもとは違う様子をご覧頂き、ダンスがもつパワーを感じてくだされば幸いです。

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