小学生Aくんの成長 ー優しさの自己主張ー

こんにちは!今日は、私が4年間教えている男の子Aくんについてのお話をしたいと思います。

Aくんは身体がとても大きく、小学1年生の頃から6年生の子にも負けないほどのパワーを持っていました。
しかし彼は恥ずかしがり屋で、ヒップホップダンスを覚えても動作が小さく、身長の高さが余計にこじんまりした印象を与えてしまっていました。
女の子とお話することはおろか、私とすらお話ができず、仲の良い男の子たちだけで固まってしまう、

そんな、「目立つのに目立たない」子でした。

でも、ダンスを習い始めて数年後、Aくんは見違えるように成長しました。
今では自分の気持ちを言葉で表現したり、堂々と大きく踊ることができるようになり、明るい性格になりました。
そして男の子とも女の子とも、分け隔てなく接しています。

先日、カリキュラムの一環でダンスづくりをさせた時のことです。
ダンスづくりを通して、子ども達の創造性や協調性を刺激することを目的としており、この日は少人数のチームを自由に組んでもらいました。

しかし、1人の女の子が誰ともグループを組めない状況が生まれてしまいました。
その女の子は寂しい気持ちになり、「私も仲間に入れて!」といった声を出せずにうつむいてしまっていました。

みんなが楽しそうにしているなか、その子だけが取り残されてしまったのです。

この状況をどの様に乗り越えるのか私はあえて黙って見守っていたところ、

Aくんが少し照れながらも「うちのチームに来いよ!」と誘いました。

女の子は嬉しそうにその誘いに応じ、Aくんのチームに加わりました。
彼のおかげで、クラスの全員が振付づくりを行うことができました。

彼は幼少期の頃、自己主張が苦手でした。
でも今思えば、それは彼が人一倍敏感なタイプで、優しい人間だからだったのでしょう。

ダンスを通して、自分を主張することを学び、お友だちとのコミュニケーションを学ぶことができたのだろうと思います。

 

以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。